実際の事例をご紹介します


ここでご紹介する事例は、両毛地域で発行している情報誌「渡良瀬通信」で、ラクレア代表 大谷の執筆により連載(2020〜2021年)していたものです。( ▶︎渡良瀬通信についてはこちら


vol.01vol.02vol.03vol.04vol.05vol.06vol.07vol.08vol.09vol.10vol.11vol.12

笑顔相続コラム vol.01/2020.11

初めての相談者様は60代女性、Aさん。
60代後半のご主人と仲良く生活をしていました。

結婚したのは20年程前、Aさんは初婚でしたがご主人は2度目の結婚で、前妻との間にお子様がいらっしゃいました。お子様の養育費を払っていたため新婚当初は贅沢もできなかったとの事。養育費を払い終えた後は、ご主人と二人で老後を楽しく送るはずでした。

しかしある日、ご主人が亡くなったら、Aさんと、そして前妻とのお子様も相続人になる事を知りました。Aさんとの再婚後に貯めたお金も自宅も半分とられてしまうのではないか?Aさん自身が先に死んだら財産はどうなるのか?そんな不安が芽生え、考えると眠れなくなる…と。

そしてAさんのご兄弟の事やご主人とお子様との関係、老後の事、大切にしているもの、ご主人への想い、不安に思っている事など、胸の内を沢山打ち明けて下さいました。2回目の面談で「こんなに家族の事を他人に話した事なかった。大谷さんに相談した事で光が見えてきた。今日はよく眠れそう。」とおっしゃった時の笑顔は今でも心に残っています。これからもお客様の笑顔の為にこの仕事を続けて行きたいと思った瞬間でした。


笑顔相続コラム vol.02/2020.12

50代のKさん、前夫とのお子様1人を連れ現在のご主人と再婚しました。
義父は再婚して間もなく他界、義母は認知症を発症し施設で暮らしています。

ご主人は弟さんと二人兄弟ですが、弟さんは遠方に住んでいるのでKさんが施設の手続きや支払い、その他の面倒を見ています。義母はまだ70代前半なので、この先何年施設での生活が続くか分かりません。

もしご主人が義母より先に亡くなってしまったら?
ご主人が義母より先に亡くなった場合、相続人は弟さんと、ご主人の代襲相続人であるお子様になります。

血の繋がらない甥っ子に気持ち良く財産を渡すのか。
義母の面倒を見てきた自分には何も残らないのか…

そんな不安からのご相談でした。今、ご主人と弟さんの関係はどうなのでしょう。幼少期は?大人になってからは?義母は今は認知症だけれど、元気だった頃は兄弟がどうなって欲しいと思っていたのか。義母が亡くなったらお墓や不動産は誰が継ぐのでしょう。一部分しか見えないから、より不安になります。まずは全体を把握して、一つ一つ進めていく事が大切。一人ひとりに寄り添って解決する事が相続コンサルタントの役割です。


笑顔相続コラム vol.03/2021.1

最近のご相談は、全く相続のことを考えていないケースは少なく、「相続に詳しい人に少し聞いて来たのですが…」という方が目立ちます。
そして、
「生前贈与はいくらまで大丈夫なの?」
「実家が空き家になっているけれど名義は親のまま、どうしたらいいの?」
などといった具体的な内容の第一声で始まることがあります。

そんな時に私が最初にお話しするのは、「相続の森」の話です。

相続のことを考えるには色々なことが関わってきます。家族構成、親戚の状況などはもちろん、不動産や現金などの資産の話、その他色々なことをお聞きしなければなりません。大切なのは本人やご家族のお気持ちです。「相続の森」の全体像が見えて初めて、「このままだとこのような問題が起きる可能性があります」とお話できます。

相続の森にはたくさんの木が生い茂っています。一つの木だけ見てあわてて対策をとったら「相続の森」の生態系が壊れてしまうかもしれません。そうならないために、全体像の把握からスタートすることが大切です。不安を取り除き、心おきなく残りの人生を送っていただくことが相続コンサルタントの役目です。


笑顔相続コラム vol.04/2021.2

ご相談者のJさんは70代男性、現在奥様とお子様2人との4人暮らしです。財産は自宅不動産と預貯金。相続税のかからない範囲内ではありますが、不動産をどちらのお子様に相続するかを悩まれていました。

姉妹の仲は悪くないとの事。
Jさんや奥様が高齢になった時に、面倒を見てもらいたいのはどちらのお子様なのかをまずお聞きしました。そしてお子様はどう考えているのか。介護が必要となった時、お仕事やご結婚で離れて生活しているかもしれません。

実は相続対策は、時には老後の対策も一緒に考えていく事も必要です。「まだまだ元気だから大丈夫」ではなく、老後をイキイキと生活するための対策こそ元気なうちに。

Jさんは想像していた以上に対策が必要だとわかりました。日頃から家族とのコミュニケーションをとり、想いを伝えておくのも大切。相続の話、一度ご家族で話してみませんか?


笑顔相続コラム vol.05/2021.3

今回のご相談者のAさんは60代男性。
現在奥様と2人暮らし、長男と次男は独立し他県の持ち家でお暮しです。

相談内容はAさんのお母様の所有不動産ついて。「数か所に所有しているが、どれも売ろうに売れない負の不動産。子供達に迷惑がかからないように自分の代で放棄したい」が第一声でした。

詳しくお話をお伺いすると、相続を放棄できたとしても、その後に多数の問題が出る可能性がわかりました。Aさんは不動産の放棄は簡単な事と思われていましたが、そうでない現実もお伝え致しました。不要な不動産のみを放棄する事はできず、遺産全部を放棄しなければいけません。相続人全員が放棄したとしても国庫へ納付されるまでは複雑で費用がかかります。

重要なのは、相続人全員の放棄について話し合いができているのか?
何よりもお母様のお気持ちは…。

相談に来られる方は一人でお悩みになっている方がとても多いです。親や配偶者、兄弟姉妹と話すきっかけがない、自分から持ち掛けられない、相続の話をする事を悪い事と思っている、など。では相続が発生した後ならきちんと話し合いができるのか。その時、ご自身やご家族はお元気でしょうか。今こそ、相続対策を始めてみませんか?


笑顔相続コラム vol.06/2021.4

今回の相談者は女性、Sさん。
内縁の夫に子供はなく、Sさんには一人っ子の長男がいらっしゃいます。
3人が揃ってのご相談でした。

内縁を貫きたいSさん。そして籍を入れたいと考えつつ、妻の気持ちを尊重しようと想う夫。
長男は、自分に子として出来ることはあるのかとお考えでした。

宗教の違いや様々な面での考えの違いはあるけれど、籍を入れる・入れないにこだわらず終末を仲良く共に生きていきたい。内縁の妻と子に財産を残したい。そんな、3人それぞれの気持ちに寄り添いながら相談に乗ってくれる方を探していたとの事でした。

3人の現状や内縁であることなどから、様々な問題が想定されます。遺言書、お金の事、各専門家とプランを考えました。家族のカタチは色々あっていいと思います。どこから見てもお互いを想いあう3人。とても素敵なご家族でした。このご家族が最後まで心おきなく過ごせる時間の提供をするのが私の役目…心が一層引き締まった瞬間でした。


笑顔相続コラム vol.07/2021.5

高齢者の方もSNSやHPを持ち、デジタルライフを楽しんでいる昨今、自撮り写真にユーモア溢れる加工をして話題になったおばあちゃんもいました。私の知人女性Yさん81歳もその1人。スマホを使いこなし連絡はLINE、ゲームも楽しんでいます。

総務省によると、日本人のスマホ所有率は7割を超え、ネット利用率も70歳代で5割、80歳以上でも約2割を超えるそうです。Yさんは先日、スマホの不具合でIDとパスワードを調べる必要がありました。スマホの契約書類と一緒に保管した紙にその情報が書いてありスムーズに不具合を修正できたのですが、本人以外の方が見つけるとなると少し時間がかかったかもしれません。

配偶者や親御さんのIDやパスワード、どこを調べればいいかわかりますか?
ネット銀行やネット証券などスマホやPC内だけで取引している口座も沢山。エンディングノートにIDとパスワードを書く、場合によっては悪用を避ける為にIDとパスワードを別々な場所に書くなどの必要があるかもしれません。デジタル遺品も生前からの整理が必要なもの一つです。


笑顔相続コラム vol.08/2021.6

相談者Kさん、ご両親の暮らすご実家の土地が父・母・Kさん・弟の4人の共有名義になっています。建物はお父様の名義。実家の土地建物をご両親が他界した後、Kさんがスムーズに引き継ぐにはどのような対策をしたら良いか?との内容でした。

弟さんは遠方で自己所有の家をお持ちです。
Kさんも自己所有の家をお持ちですが、実家の近くにお住まいの為、ご両親の老後の面倒をみるつもり。
ご両親が介護状態になった時、Kさんはお仕事を辞めて介護をするのでしょうか?
又、施設に入った場合の費用の準備はあるのでしょうか?

もし不動産を売却して費用にあてるならスムーズな売却ができる状態にしておく必要があります。Kさんが不動産を引き継ぐ事により弟さんとの遺産相続に差がでる時、何も対策しなくていいのか?など、一つの問題に目がいきがちですが専門家に相談する事で、見えない問題に気づく事ができるかもしれません。何よりも大切なのはご家族がコミュニケーションを取れている事、家族全員が将来に目を向けている事と私は思います。そのお手伝いをするのが相続コンサルタントです。


笑顔相続コラム vol.09/2021.7

相談者の60代男性Hさん、遺言書を書きたいとの事でした。
Hさんには前妻との間に一人、再婚相手との間に二人のお子様がいらっしゃいます。
現在の妻との子供達に多くの財産を残したいとの事。

Hさんのように前妻との間の子供がいる場合には、トラブルにならないよう注意を払う事が重要です。
お互いが譲らなくなり、家庭裁判所で遺産分割調停や審判をしないと解決できなくなるケースも。
遺言書は専門家に相談し作成する事をおすすめします。

法務省の調査によると、55歳以上で自筆証書遺言を作成したことのある人は3.7%、公正証書遺言を作成したことのある人は3.1%となっています。海外の例をみてみると、イギリスではなんと約80%の作成率。遺言書は紳士のたしなみという文化が根付いているようですね。

遺言書には付言事項という「手紙」のような文を付ける事ができます。「どうしてそのような分割にしたのか」「どんな想いが遺産にあるのか」「家族へ伝えたい想い」など、法的な内容だけでなく温もりある家族への最後の手紙として書いてみてはいかがでしょう。


笑顔相続コラム vol.10/2021.8

相談者の女性Mさんは現在60代、独身です。
ご両親を見送り、現在実家でトイプードル2匹と暮らしています。

実はMさんは一人っ子。今は元気ですが、将来について備えていきたい。
でも何を相談したらいいのか、何が不安なのかもわからない。

「自分で相談をお願いしておきながら何を相談したらいいのかわかりません。この様な状態で来てしまって、よかったのでしょうか?」とMさん。ラクレアにいらっしゃる方はそのような方がとても多いので安心してください。

そして最近はおひとり様の相続に関する相談も増えてきました。
遺言書は必要?
ペットの事はどうする?
実家の不動産は?
死後の事務手続きは誰がする?
Mさんご自身が介護状態や認知症になった時はどうしたらいい?
など、その他も沢山の問題点が見えてきました。

Mさんの心配を取り除き、残りの人生を心おきなく過ごしていただけるように。Mさんのサポートは今でも続いています。


笑顔相続コラム vol.11/2021.9

相談者の女性Hさんは現在50代、一人暮らしの80代のお父様が旅立たれ、お父様が所有していた宅地の売却の相談でした。

調べてみると、お父様のお母様、Hさんから見て祖母の名義のままになっています。売却をするには、はじめに祖母からお父様名義に相続登記をしなければいけません。しかし、お父様は8人兄弟の末っ子で、兄弟姉妹はすでに5人他界、総勢17人の相続人がいました。中にはお父様とは生前の面識がない方も。

お住まいの地域も関東に限らず関西や九州であったり、施設に入っている方もいたため、売却までには相当な時間がかかりました。実はこのようなケースは珍しくはありません。相続登記がされないまま所有者不明になった土地は、日本中で北海道の面積に匹敵する程と言われ大きな課題となっています。そこで相続登記の義務化が3年以内に施行される事が決定しました。

不動産が誰の名義になっているかを確認しておくのも相続対策の一つ。よく「固定資産税の納税通知が送られてくる人の名義」と勘違いされている方もいらっしゃいますのでご注意を。
ラクレアでは相続人の確定、登記名義変更を相続専門の司法書士、行政書士と一緒にお手伝いしています。


笑顔相続コラム vol.12/2021.10

一枚のメモで救われた家族
とある40代の働き盛りの男性にまつわるお話です。
ある日、出張先のビジネスホテルで突然死をしてしまいました。
残された奥様と子供達。
お葬式はとても悲しい式になりました。

四十九日を過ぎ、ご主人の遺品を整理していたところ、奥様へ宛てた一枚のメモが出てきたそう。
たった一言「一緒になってくれてありがとう」と。
メモが奥様を悲しみのどん底から救ってくれたそうです。

日頃の感謝の気持ちを言葉にするのは照れくさいかもしれません。でも、こんな時代だからこそ、感謝の気持ちを伝えておきませんか?